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2015年10月07日
森の健康診断
10月4日（日）第5回 森の健康診断を吉野川減流域で実施しました
森の健康診断は、岐阜県恵那市の矢作川流域で
平成17年6月に始まった市民参加型の人工林調査です。
日本の森林の人工林は荒廃が進んでいて手入れが必要だと言われています。
この放置人工林をなくすために、
「参加者にとって楽しく、しかも科学的なデータを得られる市民参加の大規模な人工林調査」を実施し、
今後の対応策に利用するものです。
調査は、総勢7～8名のチーム毎に受け持ち、ポイントの調査をします。
チームは、リーダー、自然観察サポーター、地元サポーターと一般参加者4～5名からなります。
調査内容は「植生調査」と「混み具合調査」で、調査に使う測定器具のほとんどは100円ショップで手に入ります。
早明浦ダムをバックに参加者全員の集合写真
その他の写真はこちら→
山に入る出発前の参加者への説明会
人工林の調査地点
チーム(7人)による調査風景
木の直径測定並びに５ｍの釣り竿による調査木の選定
中心木から5.65ｍの範囲内で調査木を決めます
人工林の植生調査(５ｍ四方の枠内にある低木と草の葉)
①この調査からわかったこととして
この調査は人工林の植生調査と植栽木の混み具合調査からなっています。植生調査では落葉層と腐植層の被覆率が総じて低く、光条件が悪いため下層植物が育っていない状態です。混み具合調査ではほとんどの地点で過密となっており、間伐が十分出来ていない状態です。一口に言って、山の手入れが十分でないということです。人口林は放置される割合が高く、過密状態で下草もはえず土がむき出しになり、土砂が流出しやすい問題を抱えており、山の手入れをせずに放っておくと河川の氾濫など大きな災害につながります。
②この結果から何をしなければならないのか？
この調査は下流域の住民だけでなく、地元サポーターや山林所有者などが一緒になって調査するもので、過密の結果をもとに山林所有者に間伐等山の手入れを促すこととなります。現在は間伐を奨励するため、国が多額の補助金を出していますが、人手不足の問題もあり、放置人工林が増えてきている状態です。このままで行くと日本の４０年、５０年後は山が荒れ放題となり、手の打ち所が無くなります。下流域の市民なども、このような山の深刻な状態を理解し、上流域の人たちと一緒になって国民並びに政治家に対して警告を発することも必要です。
第1回～第4回までの調査結果を科学的に分析するなど報告書を作成していますが、まだまだ調査地点が少ないため、今後は調査地点を増やし精度を高めることが必要です。このような調査を通じて、水の恵みを受けている下流域の住民には上流域の森の荒廃した現状を知ってもらい、森を大切にする気持ちを持ってもらうことが出来ます。また、上流域の山林において、簡単なグッズを使い森の現状を調査することにより、山林所有者に間伐等の森の環境保護の必要性を解ってもらうとともに、広範囲に調査地点を増やし、精度を高めた分析結果を山林所有者に示すことで間伐等山の手入れを促すことができます。
なお、平成17年に日本で初めて森の健康診断に取り組んだ岐阜県恵那市の矢作川流域では、今年で11回目を迎え、住民と地元サポーター、山林所有者、行政などが一体となって積極的に間伐等に取り組んでいます。
タグ ：森の健康診断
Posted by えいきち at 20:00│Comments(0)
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